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会員の声

おかげさま 私に与えられた役割
江 口 孝一郎
国語教室
(平成8年卒業)
大口町立大口西小学校

 学習に取り組む子どもたちの明るく、元気いっぱいな姿を見ると、こちらも自然と笑顔になり、活力をもらっていることに気づく。
 今年度、本校に着任し、感じることは、たくさんの教職員一人ひとりの力と、家庭、地域の力によって支えられているということ。教育目標の実現に向け、掲げた「笑顔あふれる学校」というビジョンを意識して、教職員それぞれが自分の持ち場で主体的に業務にあたってくれている。また、日々、子どもたちの安全のため、教育活動推進のために、保護者、地域の方々が力を貸してくださっている。まさに、「おかげさま」である。
 全体を見渡し、充実した学校運営が継続できるよう気を配るとともに、ご縁に感謝をして職責を果たせるよう今後も努力したい。

寺 西 由 希
初等教育教員養成課程
自然系 理科 地学専攻
(平成18年卒業)
一宮市立尾西第三中学校

 気が付けば教員生活18年目に突入しました。学校には若い先生が増え、熱心に生徒と向き合っている姿を見ると心強く感じるとともに、初任者だった頃、校長先生から言われた言葉を思い出します。
 「しっかり遊びなさい。良い映画や演劇を見たり、おいしい食事をしたりして、心を豊かにしなさい。先生が心身ともに健康で豊かでいることが、より良い教育のために何より大切ですよ。」確かに、教職に就いて以来憧れた先輩方は、仕事だけでなく遊びを楽しんでいるように見えました。本を読み、旅に出かけ、人生を楽しんでいることが、教員としての魅力をつくるのでしょう。
 さて、中堅教員として私にできることは…?しっかり遊び、心身ともに健康で笑顔で過ごすことでしょうか。人生を楽しむ姿を若い先生や生徒に見せ、大人になる楽しさを伝えることが、私に与えられた役割だと信じて、今日もまた全力で「遊ぼう」と思います。


一人一人と関わる 子どもが教えてくれますよ
齋 田 将 典
初等教育教員養成課程
・社会選修
(令和2年卒業)
常滑市立鬼崎北小

 いろいろな子がいます。毎朝、元気に挨拶して教室に入ってくる子、苦手な教科の勉強も一生懸命頑張っている子、思いついた言葉がすぐ口に出てしまう子、自分の気持ちにどうしても素直になれない子など、一人一人、みんな違います。
 感じていることも違います。ある子は「先生は厳しい」と言い、ある子は「先生は優しい」と言います。また「先生は厳しいけど、優しい」と言う子もいます。どれも合っているのだと思います。子どもそれぞれに受け止め方があるのでしょう。その子どもに合わせて、本当にその子のためになることは何かを考え、日々関わっていくことが大切なのだと思っています。
 一人一人の子と関わり、その子に合わせた指導を行ったり関係性をつくったりしていきたいです。上手くいかないこともたくさんあります。その中でも、毎日わくわくして、明るく過ごしていきたいです。教師がそうしていれば、子どもたちも自然とそうなっていくように感じています。

水 谷 久 美
特殊教育科
(昭和61年卒業)
名古屋市立白金小学校

 特別支援学校に勤務していた時、激しく暴れ、他害や物の破壊を繰り返す生徒が、複数在籍する学級を担任しました。言葉もなく、意思疎通もうまくできない状況を前にして、ただ途方に暮れるしかない私に、先輩の先生が落ち着いた様子で言われました。
 「大丈夫。子どもが教えてくれますよ」
 「子どもが教えてくれる」って、この子たちが何をどうやって教えてくれるというの・・・と、思いながら、「なぜこのような行動をとるのか」を必死で考える日々でした。「こうしたかったのでは」「こうするとよいのでは」と、子どもたちの様子から思い付くことを試行錯誤し続けて1年が終わる頃、ふと、生徒の他害や物の破壊といった行動が以前より減っていることに気付きました。行動には全て意味があり、しっかり子どもと向き合うことで、私が何をすればいいのかを教えてくれる・・・。
 あれから25年余り経ちました。「子どもが教えてくれる」は、今でも私の教育の原点となっている言葉です。


これがいまの橋本浩司 子どもも私も「楽しい」と
感じられるように
橋 本 浩 司
小学校教員養成課程
体育教室
(平成15年卒業)
名古屋市立矢田小学校

 矢田小に赴任して3年目。やっと自分らしさが出てきた。担任不在時に笑顔で子供を迎え入れる準備と教室にすぐに入れない子供の対応で一日が始まる。何もなければ電話番だ。補欠の授業があれば、喜んで引き受ける。授業では、この一時間が勝負だと思い、子供がワクワクする授業を心掛けている。今年も理科の授業を受け持ち、ICTを活用した単元内自由進度学習に試行錯誤しながら挑戦中だ。日中は、子供のタブレット端末の不具合の対応や業者への修理依頼を素早く行う。若手の先生から体育の相談を受けると、授業づくりから一緒に考え、授業にも顔を出す。同僚が仕事で悩んでいたら、一緒に考え、相談にも乗る。「今日は一日何をしていたの?」と、聞かれたら、細かすぎて答えられない。要は便利屋さんである。他にも、先進的な取り組みの仕事もある。どれも大きな仕事ではないが、子供も大人もみんなが笑顔で幸せな毎日を過ごしてほしいと願い仕事をしている。

谷 口 麻 琴
国語専修
(令和3年卒業)
名古屋市立小幡小学校

 「学校が楽しい」「授業が楽しい」
 子どもたちがそう感じられる学級をつくれたら、どれだけ素敵なことでしょう。
 教師となって三年目。「子どもたちが楽しいと感じられる学級をつくりたい」という想いをもちながらも、まだまだ足りないことばかりで、悪戦苦闘の日々です。
 一言で楽しいと言っても「楽しさ」の種類は、いろいろあります。気の置けない友達とふざけ合う「楽しさ」、興味のあることを深く探究する「楽しさ」、日々努力を積み重ねて目標を達成する「楽しさ」。子どもたちに、様々な「楽しさ」を経験させたい。その中で子どもたちが「楽しむ力」を身に付け、これから先の人生を楽しく過ごせるようになってほしいと思っています。
 しかし、このように話す私は、教師として子どもと関わる「楽しさ」を十分には感じられていないのかもしれません。子どもと向き合い、子どもから学び、子どもと共に成長していきたいです。子どもも私も「学校が楽しい」「授業が楽しい」と感じられるようにすることが、今の目標です。


あははでGO! 信頼感
杉 浦 かおり
家政学教室
(昭和61年卒業)
碧南市立棚尾小学校

 本校では、全校で「あははでGO!」に取り組んで3年目になります。その内容は、「あ:挨拶をする、は:はいと返事をする、は:履物を揃える」です。挨拶をすることは、自分の心の窓を開くこと、「はい」と返事をすることは、相手の心を受け止めること、履物を揃えることは、次の行動への準備をし、周りへ思いやりの心をもつということです。
 毎朝校内を回ると「おはようございます」という元気な挨拶が飛び交います。授業中は名前を呼ばれたら「はい」と気持ちのよい返事をして立ち、発言をしています。シューズに履き替えるときは、脱いだ靴をきちんとそろえる子が増えており、嬉しく思います。この三つを実践して心を整え、「あはは」とにこやかな笑顔あふれる学校を目ざしています。また、この三つが身につけば、子どもたちにとって一生の宝となり、人間関係で役立つことでしょう。2学期も子どもたちが進んで実践してくれることを期待しています。

本 多 克 行
初等教育教員養成課程
人文社会系 国語専攻
(平成22年卒業)
田原市立福江中学校

 「自分たちでいろいろなことを決めて実行できたから、先生たちが全て考えて決めるより、修学旅行を終えたときの達成感がすごかった」生徒たちの修学旅行の振り返りには、主体的に活動してきたことへの充実した気持ちが綴られていました。
 コロナ禍により、主体性を発揮する場が奪われ続けた中学3年間。生徒たちにとって中学校生活での一大イベントである修学旅行において、持ち物や服装の立案を生徒たちにゼロベースで任せました。実行委員だけでなく、教職員やPTA、地域の方の意見も取り入れながら、前例にとらわれない修学旅行創りに議論が白熱しました。
 「こんな修学旅行にしたいなと思っていたことが実現できた」嬉々として語る生徒の姿に、今しかできない経験の大切さと、期待に応えてくれる頼もしさを感じました。変化を恐れず、生徒たちの力を信じて支えていきたいと思っています。


今の自分にできることを 教員を繋ぐ、サークル活動
藤 井 梨 沙
初等教育教員養成課程
数学専修
(令和2年卒業)
新城市立八名中学校

 昨年度、何事にも「やってみたい!」と目を輝かせる小1と出会いました。経験の浅い自分なりにも、この子たちのためになることなら、全力で支援していきたいと強く思うようになりました。授業づくりをする際には、「ここでは、この力をつけたい!」と願い、発問、活動、教材の1つ1つにねらいをもたせました。そして、「この発問をしたら、あの子は何と答えるかな?」と、子どもの顔を思い浮かべながら反応を予想しました。その中で、想像すらしていなかった子どもの発想や、小さな成長に出合う度に、子どもって面白いなあと教職の魅力に引き込まれました。「子どもたちのために」と今まで必死になってきましたが、反対に自分は子どもから元気をもらい、成長させてもらってきたことにも気が付きました。
 今年度から中学校で勤務をしています。目の前にいる子どもたち、そして自分のために、何ができるのかを考え、行動し続けられる教員でありたいです。

亀 田 准 季
特別支援教育特別専攻科
(平成23年卒業)
愛知県立
豊川特別支援学校

 私が教員になって12年が経ちました。その間、特別支援学校、小学校、高等学校と勤務し、多くの人と関わりました。どの学校においても、教育的ニーズが多様化し、個々の教員のスキルアップだけでなく、連携が欠かせないものになっています。今こそ、異なる学校種の教員を繋ぐ場が必要ではないでしょうか。
 この度、同窓会県立ブロックを発端として、特別支援サークルを結成します。サークルでは、既存の研修会とは異なり、地区の壁を超えた同窓会員や非同窓会員の参加を目指します。
 主な目的は2つあります。まず、多様な特別支援教育のニーズを把握し、対応する指導力を向上させることです。指導環境の準備支援や、集団の中で個別の配慮の取り入れ方など、それぞれの立ち場を生かして、学び合えるようにします。
 次に、異なる学校種の教員が交流を深め、連携を図ることです。学びの環境を充実させ、系統性ある指導を行うためには、連携強化が欠かせません。
 同大学の出身ということは一つの縁です。この縁を結び、大きな円(サークル)を描き、一丸となって、愛知の教育に向かいたいと思います。


公務員部会 設立にあたり 伝わることを為す
西 脇 委千弘
生物学教室
(昭和61年卒業)
豊田市役所
(公務員部会長)

 私は、昭和60年度に愛知教育大学を卒業し、豊田市役所に就職しました。このため、これまで同窓会とのご縁はありませんでしたが、今回、公務員部会設立にあたり、お声がけをいただき、部会長として三十有余年ぶりに、大学との関わりを持たせていただくことになりました。公務員部会の立ち上げに、ご尽力いただいた皆様にこの場をお借りし、改めまして感謝申し上げます。
 私は、公務員に大切なスキルの一つとして、住民の皆さんにこちらの考えを分かりやすくかつ正確に伝えることが重要と思っています。私自身、教育実習で、子どもたちにどう表現すれば伝わるのか悩んだ経験などは、その後の公務員生活にとても役立ったと思います。公務員部会では、会員それぞれの公務員としての経験を生かし、大学内で少なからずみえると伺っている公務員を目指す学生の皆さんへの支援を当面の活動の中心としたいと考えていますので、よろしくお願いします。

山 口 響 史
中等教育教員養成課程
国語・書道専攻
(平成25年卒業)
愛知教育大学
国語教育講座

 学問の面白さに突き動かされて、大学卒業後の10年間を過ごしてまいりました。ただ、昨今の若手研究者を取り巻く環境は決して優しいものではなく、大学で一緒に学び合った友人たちに(彼らは意識せずとも)支えられてきました。本当に感謝しております。彼らの同僚とならむ学生を指導するとあって、身が引き締まる思いで勤務しております。
 大学では、主に「日本語学」という学問分野の授業を担当しております。日本語の音声、語彙、文法などを対象とした問いについて、学生とともに日々、思考を巡らせております。私が学生の頃も、同じような内容に取り組んだものですが、当時、印象深かったのは「条件表現の歴史」でした。なかなかに難解な内容でしたが、その難解さが紐解かれていくと、ダイナミックな日本語の動態が露わになり、その面白さに魅了されていったことを思い出します。あの時、「これは面白いよ。」と教わるのではなく、「これは面白いなぁ。」という先生自身の熱量に心を動かされたのだと思います。そして、その熱量は自らの研鑽の上、発せられたものに違いないと学生ながらに思ったものでした。
 己の研鑽に伴う熱量が学生に届くよう、精進してまいります。