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会員の声

“シンカ”し続ける
自分を目指して
つなぐということ
賀島 美恵子 画像賀 島 美恵子
史学教室
(昭和63年卒業)
愛西市立西川端小学校

 コロナが5類になり各種研究会・研修会も復活し、実際に授業を見る機会も増えてきました。この春には附属名古屋小学校で行われた実践研究発表会に参加させていただきました。
 どの教室からも子どもが前のめりになって学んでいる、「ついやってみたくなる」授業を見ることができました。その後の分科会では、参観した授業をもとに、自分の関わる子ども達とこんな授業がしてみたいと思う年齢も性別もまちまちの初対面の先生方と授業について語り合う時間がもて、自分の学校での現職教育とはまた一味違った刺激を受けることができました。
 コロナ禍前の研究発表会は、教室にも廊下にも参観者が溢れ、前の先生の頭越しに授業を見た記憶があります。今回、“シンカ”し続けていきたいと気持ちを新たにしながら、同窓の先生方から発信される魅力的な提案を、より多くの先生に参観していただきたいと思いました。

山口 雄大 画像山 口 雄 大
初等教育教員
養成課程数学専修
(平成25年卒業)
稲沢市立大里中学校

 私が初めて教員となり、十年が経とうとしています。振り返れば、これまでに多くの先生方に育てていただきました。特に、講師時代の学年主任の先生には、「教師としてどうあるべきか」を厳しくも楽しく教えていただいたことを覚えています。右も左も分からない中で、最後まで指導していただいたこと、年度末には「よく成長した」と褒めてくださったこと。その経験が、私の教師としての支えになっています。そして今、同じ学年主任として、学年を任される立場となりました。若手教員から中堅教員となった今、私が教えていただいたことを次の若手教員へ伝えることが、私の大切な役割だと思っています。
 私が先輩から託されたバトンを次の世代に託す。そのためにも、これからも日々研鑽に励み、人との関わりを大切にしながら、教員人生を楽しもうと思います。


先生方の背中を追いかけて コミュニケーション力とマスク
畑田 光嬉 画像畑 田 光 嬉
特別支援学校
教諭養成課程
(令和4年卒業)
一宮市立三条小学校

 3年目になり、教員生活にも少しずつ慣れてきました。しかし、上手くいかずに落ち込むこともあります。そんな私の心を支えてくれているのは、周りの先生方です。私の周りには、「あなたはできるから大丈夫。」と自信を与えてくれる先生や、「昔の自分はもっとひどい失敗をしていたから元気出して。」と励ましてくれる先生、「自分はこうしているよ。」と助言をくれる先生、「この仕事、一緒にやろうよ。」と経験を積ませようとしてくれる先生がいます。私はそのような先生方にとても感謝しています。
 昨年度、初めて6年生の担任をしました。試行錯誤の1年でしたが、今ではどの子も「あ!先生!!」と手を振ってくれます。私はそんな彼らから、元気をもらいます。上手くいかずに悩んだ日々も無駄ではなかったと前向きな気持ちになります。この先も悩んだり、落ち込んだりすることがあると思いますが、いつも助けてくださる先生方の背中を追いかけて、前に進んでいこうと思います。

藤澤 健 画像藤 澤   健
保健体育教室
(昭和62年卒業)
名古屋市立広路小学校

 コロナ禍で、マスクの着用を推し進めた結果、本来とは違った意味でのマスク着用者が増えてしまった学校現場。コロナの実態がよく分からなかった時期に、半強制的に着用を求めた我々が、5類移行後も「マスクの着用を求めません」と弱気のスタンス。学校は、人と人との関係を築くコミュニケーション力を育てる場でもある。人の印象は出会って数秒で決まると聞くが、それは、顔の表情があっての話。マスクで顔の半分以上を隠してしまっては、本来の「その人らしさ」は分からない。マスクを付ける意味を今一度しっかりと考えたい。喜怒哀楽の微妙なニュアンスは、表情から読み取ることが大切である。マスクで隠れた口元から発せられる言葉だけでは十分に伝わらない。お互いのコミュニケーションを妨げ、これからの社会を生き抜く大切な力を育む足枷となっているマスクを外し、コロナ禍以前の本来の学校教育を取り戻そう。今こそ、人間関係づくりの根本である「表情を見せながらの当たり前のやり取り」を推進していきたい。


教育の現場で輝く
初任者とともに
分かる喜び 考える楽しさ
杉浦 加代子 画像杉 浦 加代子
小学校教員養成課程
国語教室
(平成15年卒業)
名古屋市立藤が丘小学校

 教務主任として3年目を迎え、初めて初任者指導に取り組んでいます。「楽しくて分かりやすい授業をしたい」という初任者の願いに寄り添い、教材研究を重ねています。初任者が自らワークシートを作成したり、適切なタイミングで動画を用いた授業を展開したりして、子どもたちが瞳を輝かせて学ぶ姿を見るたびに、私も喜びを感じます。特に配慮が必要な子どもたちが元気に登校し、笑顔が増えたことに感動しています。
 職員室では、相談しやすい雰囲気づくりを心掛け、主任を中心としたチーム体制で円滑な運営を目指しています。校長先生の経験豊富な指導と、教頭先生の「楽しく働く」という理念の下、全員でよりよい学校づくりに取り組んでいます。
 さらに、国語科教育の推進において他校の先生方と連携する機会も増え、大学時代の友人とも再会しました。愛知教育大学で培った学びが、現在の私の教育活動の基盤となり、多くの人との出会いを通じて成長し続けています。新たな挑戦を忘れず、誰もが笑顔で輝けるように、これからも力を尽くしていきます。

安井 啓人 画像安 井 啓 人
中等教育教員養成課程
理科専攻
(令和4年卒業)
名古屋市立新郊中学校

 教師となってからの2年間は生徒達と共に学び続ける日々でした。そんな日々の中で、特に力を入れて取り組んできたのは「なぜだろう?どうしてだろう?」と疑問をもつことができ、最後には「分かった!」と楽しそうに言えるような授業をつくることです。そのために多くの時間を使い、自分自身が「なぜ、この単元に苦手意識を持つ生徒が多いのだろうか」や「どのようにしたら興味を持てる問いかけになるだろうか」と疑問を持ち続け、考え続けました。すると、授業の中で必死に考える生徒の姿や、疑問が解けた時の笑顔を見ることができたとき、予想もしなかった回答を聞けたときに「大変ではあったが、授業づくりのために必死に考え続けてよかった」と生徒のために考え、悩むことのできる教師の楽しさに気付くことができました。「考え続けることは大変だが、面白く楽しい!」この体験を生徒にも伝えられるように、自分自身が考え続け、成長し続けられる教員でありたいです。


一人一人が持ち味を
発揮し合える集団
「教えてください」
と「ありがとう」
森 卓也 画像森   卓 也
国語教室
(平成11年卒業)
蒲郡市立塩津小学校

 最近、『働くということ〜「能力主義」を超えて〜』(著・勅使川原真衣、出版・集英社新書)という本を読みました。人の「働き」は、個人の「能力」だけで測れるものではなく、「まわりとの関係性」の中で変わるものと書いてありました。つまり、「能力」はあやふやなもの。
 大切なのは、「能力」ではなく、「持ち味」。
 本文中に、「凸凹した者同士が互いに、“それなりにいい味出してるよな!”とハイタッチするような姿」が感じられる環境がよいとありました。「永遠の未完」である互いを認め合えるような関係性はすてきだと思います。
 「できる」「できない」という単純な評価でその人の価値を決めるのではなく、集団やチームの中でどのようにその人の「持ち味」が発揮されているかを考えるほうが大事だと、この本は私に教えてくれました。
 一人一人が持ち味を発揮し合える集団。子どもの集団はもちろん、教職員も一つのチームとして、そう機能できるように意識をして動いていきたいと思います。

長尾 美佳 画像長 尾 美 佳
初等教育教員養成課程
芸術系(音楽)
(平成20年卒業)
刈谷市立亀城小学校

 愛知教育大学を卒業し、教育の現場に立つようになってから、長く特別支援教育に携わってきました。一人一人に寄り添いつつ、将来、その子なりに自立して生活していくためには何が必要なのか、またそれをどのように指導したらよいのか、試行錯誤の毎日です。
 日々悩みながらも、私が特に大切にしていることは、「教えてください」と「ありがとう」の言葉です。子どもたちが困難を感じた時、泣いたり逃げたりするのではなく、誰かに「教えてください」と伝えられること。そして、教えてもらったら「ありがとう」とお礼を言えること。学校生活を通して、子どもたちは様々な事を経験します。上手くいかないこともたくさんある中で、「勇気を出して『教えてください』が言えた」「教えてもらったらできた」という経験を重ね、「次もまた頑張ろう」と挑戦していくことのできる力を育てられるようにと考えています。子どもたちが自己肯定感をもって生き生きと生活できるよう、これからも自分にできることを積み重ねていきます。


子どもの笑顔と共に 同窓生としての
喜びを感じつつ
鈴木 雄登 画像鈴 木 雄 登
初等教育教員養成過程
教育科学選修
(令和4年卒業)
豊橋市立松葉小学校

 教員になって3年目に入り、授業や指導がこどもたちのためになっているか不安や葛藤を抱えながら毎日を送っています。
 一方、子どもたちはそんな自分に対して、いつも笑顔で接してくれます。朝、教室に入った時の「おはようございます。」の挨拶や休み時間の雑談、外で一緒に遊んでいるときに見せる子どもたちの笑顔はキラキラと輝いています。さらに、担任している学級・学年の子はもちろんのこと、他学年の児童も笑顔で挨拶をしてくれます。子どもたちの見せる満面の笑みは、自分の悩みを吹き飛ばし、「自分も負けてられない。」「もっと毎日を楽しもう」という前向きな気持ちにさせてくれます。
 まだまだうまくいかないことも多く、反省することが多い毎日ですが、子どもの笑顔に負けないような笑顔で自分も過ごしたいと思います。子どもの笑顔を励みにして学級経営や教材研究に励み、教員として成長を続けたいと思います。

石田 亘 画像石 田   亘
数学教室
(昭和62年卒業)
愛知県立犬山高等学校

 今年度役職定年を迎えるに当たり、同窓会県立学校部会との関りは、気に留めなかった十数年、深くかかわった十数年と濃淡のはっきりとしたものでした。また親交を温めるよりも学ぶこと、後に続く人を支援することのほうが多かった気がします。たくさんの方々から大切なものを頂きました。この紙面をお借りして、感謝申し上げます。特に次のお二人の先生には大変お世話になりました。
 三つ年上、圧倒的熱量で本会を支え、私をこの世界に引き込んでくださった人見先生、私はあなたに頭が上がりません。同じゼミ出身がわかった時、「お前〇〇だろ」の一言、忘れることはないでしょう。一つ年下ながら、人を引き付ける魅力を持ち、本会の充実・発展のための仕掛けを次々と企画・実行し続ける寺田先生、誰にも真似できません。頭の下がる思いです。学生の時、峻峰寮の隣同士でバカをやっていた姿からは全く想像がつきません。出会えて良かった。感謝、感謝です。


公務員部会員
としてできること
お世話になった先生方に
心から感謝しています
羽立 珠李 画像羽 立 珠 李
初等教育教員養成課程
家庭選修
(令和2年卒業)
岡崎市教育委員会
事務局教育政策課

 「教員と行政職員、将来就くならどちらにしようか」、そう悩まれている学生さんは少なくないように感じます。教育現場は、授業の一環として教育実習やボランティア等に参加できることである程度の経験は積めますが、行政職については、就職イベントやインターンシップといった限られた範囲の中で必要な情報を得、自分が就きたいと思う官公庁を絞る必要があります。私が就職活動していた時は、できる限り少ない時間で、一度に有益な情報を得られるような機会がもっとあれば良いのに‥と思っていました。
 そこで、公務員の道を目指している学生さんに対し、何か支援ができないかという想いから、昨年度に公務員部会が設立され、様々な市町村の行政職員が部会員として在籍しています。
 これからどういった支援を行っていくか検討中ですが、学生さんにとって有益な時間となるよう部会員一同努めてまいりますので、是非ご期待いただければと思います。

長田 洋一 画像長 田 洋 一
大学院修士課程
障害児教育専攻
(平成14年修了)
大学院博士課程
共同教科開発学専攻
(令和4年学位取得)
盛岡大学
文学部児童教育学科

 平成30年3月まで碧南市の小学校に36年間勤務していました。その間に大学院で夜間修士課程および土日開講の博士課程が開設されことにより、小学校の教員をしながら愛知教育大学で学ぶ機会を得ました。大学院で教えていただいた先生方は時には夜遅くまで、時には休日を返上して授業や研究指導をしてくださり、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。平成30年4月に特別支援教育を専門とする専任教員として盛岡大学へ赴任し、特別支援教育論、学校心理学演習、心理学概論、心理学基礎実験などの授業を担当しています。授業の準備をしていると、大学院で教えていただいた先生方の温かいお言葉や優しいお顔が脳裏に浮かんできて、「あの先生だったら、ここはどのように教えられるだろうか」等と考えながら授業プランを練っています。お世話になった先生方へのご恩返しのためにも、学生たちが「受けて良かった」と思えるような授業を作っていくことを目標にしています。